拠点から見えるセブの夕焼けです。
セブでの滞在も後1ヶ月少々となり、あれこれ忙しい日々を過ごしています。
連日、知人たちが訪ねてきてくれたり、私もビジネス関係の人たちのインタビューをしたり、慌ただしい日々を過ごしています。
セブは、クリスマスホリデーに入り、町の中はいつもより静かです。でも、年末年始にかけて騒がしくなるのかもしれません。
今年は大地震が起きたり、最大と言われる台風が襲ってきたり、信じられないような恐ろしいセブでの一年でした。三年半の滞在となるけれど、こんなに怖かった体験は初めてです。
台風・地震といえば、昨日は歯のチェックアップでいつもの歯科医に見て頂いたのだけど、先生が教鞭をとっている医学校は、5階の屋根が2階まで落ちて、教室も研究室も、それに体育館、プールまで全滅なんだそうです。医学部校舎は全滅で、辛うじて一階の歯学部はのこったので、先生はそこで教鞭をとってるそうです。でもいつ崩れるのか分からないので怖いと言ってました。
外側から見ても、外壁は辛うじて残っているけど、それも傾いてしまっていて、校舎の半分は引き裂かれたような状態のままになってます。
学生は休校とか、自習とかなんだそうだけど、医学部は合計何時間の授業を受けたのかが研修の時に問われるそうで、校舎の修復もめどがたっていない状況で、このままだと学生は将来を諦めざるを得ないかもしれない、と言ってました。
そんなすごい地震と台風が立て続けに来たフィリピン・セブだったのだけど、市内はどうにか平常に戻り、不況ながらも町は動いているようです。
訪問して来る知人たちも、生活が一変し、あれこれ大変で、私がこちらに来た当時の元気さがありません。皆が口を揃えて言うことは、「国民の生活は右肩下がりで、日々厳しくなってると」と。
外資が集まり、一見よさそうに見える途上国・後進国も、こうして、なかなか一般国民にまで景気がまわってこないようです。
日本に行きたいと皆が言うけれど、日本だって、これから非正規が増え、失業者も増えていくのだから、自国の貧困は自国で解決するしかないのかもしれない。最近はそう思うようになってきたんですよ。
ほんとは、世界には貧困国なんてないんじゃないかな、って、思うようになってきたんですよ。結局、その国の富の配分が悪かったり、汚職が充満してたりで、一般国民にまで富が回ってこない。だから豊かになれない。そう思うようになってきたんですよ。
それに、日本のODA=血税は、海外でなかなか貧困層に届いてないのが現状です。これでは、ODAは貧困を救えない。意味がないんですよね。それより、日本国民の血税なのだから、社会保障費など国民のために使って欲しいものです。こうしたODAの現実を海外で知ると、何ともいえない気持ちになります。
こうして、ここでの3年半は、夢から目が醒め、アジアや世界の「リアリティ」を知る貴重な体験の日々となったわけだけど、今は、失望と希望と、怒りと感謝と、複雑な気持ちです。
月日と共に、心が整理され、新たなことを生み出す原動力となっていくでしょう。日本では味わえないユニークな体験の連続となり、すごい体験の日々でした。
ブログも残り少ない日々ですが、出来るだけ多く書きたいと思ってます。
日本はかなり寒いようですが、風邪など引きませんようにお元気にお過ごし下さい。